【船長直伝】明日は出船できる?気象アプリ「Windy」の見方と「たむちゃん号」の出船基準を公開!

こんにちは!青森市で遊漁船「釣り船 たむちゃん号」を営業している船長です。

釣り人にとって一番辛い電話、それは前日の「明日は時化(しけ)のため出船中止です」という連絡ですよね。 「えっ、天気予報だと晴れなのに!?」「風速3mって書いてあるのに?」と思ったことはありませんか?

実は、一般的な天気予報ではなく、もっと専門的なデータを見て判断しています。 今回は、私が実際に使っている気象アプリ「Windy(ウィンディ)」を使った、「プロの出船判断基準」を特別に教えちゃいます!

これを見れば、ご自身で「明日はたむちゃん号、出れそうかな?」と予測できるようになりますし、マイボートをお持ちの方にも役立つ情報満載です。

船長

わたしは有料版であるPremiumを使用しています

たむちゃん号 簡易判定表

項目注意レベル(黄色信号)中止レベル(赤信号)
風速 (MSM)5m/s ~7m/s 以上
波の高さ0.5m ~0.8m 以上
視界 (霧)雲底 500m以下雲底 300m以下
予報あり
船長

Windyでこの『赤信号』の数値が出ていたら、私からの連絡を待たずに『あ、今回は中止かも…』と心の準備をお願いします!


そもそも「たむちゃん号(28ft)」の出船基準は?

まずは、当船(28フィートボート)が「安全に釣りを楽しめる」と判断するギリギリのラインを公開します。陸奥湾内での基準です。

【たむちゃん号 出船中止・撤収の目安】

Warning

風速(突風): 10m/s 以上
波高(風波): 0.8m 以上
視界(霧): 雲底300m 以下
雷予報: あり(即中止)

特に重要なのは「平均風速」ではなく「突風(Gust)」です。 平均が5m/sでも、突風が10m/s吹くと、28ftの船は釣りになりません。


【陸奥湾の罠】「うねり」を見るな!「波」を見ろ!

「左:うねりの予報、右:風波の予報」

Windyには「波」と「うねり」という2つの似た項目があります。ここが最大の落とし穴です。

  • うねり (Swell): 遠くの海から届く波。
  • 波 (Waves): その場の風で起きる波(風波)。

陸奥湾は半島に囲まれているため、外洋からの「うねり」はあまり入ってきません。しかし、風が吹くと一瞬でバチャバチャした「風波」が立ちます。

船長

陸奥湾内で釣りをするなら、「うねり」が青色(静か)でも信用してはいけません。必ず「波(Waves)」または「風(Wind)」を見てください。 「うねりは0.2mなのに、風波で激荒れ」というのは陸奥湾あるあるです!


どっちを信じる?「ECMWF」vs「MSM」

「MSMモデル(右)の方が、より現実に近い風速を示しています」

Windy画面右下で、気象モデルを切り替えられます。

  • ECMWF(欧州モデル): 世界標準。長期予報が得意。
  • MSM(気象庁モデル): 日本の地形に強い。直近の予報が得意。
Information

ボート釣りでは、「MSM」を基本にしてください。 ただし、MSMの風速表示は「平均風速」です。「表示された数字 × 1.5倍」が、実際に吹く突風の強さだと考えてください。

例:MSMで「風速5m/s」と出ていたら、「現場では7.5m/s〜8m/sくらいの風が吹く」と覚悟して準備します。

船長

ECMWFとMSMで見解が割れている時(片方は凪、片方は荒れ予報)は、「悪い方の予報」を信じるのが鉄則です。海の上では「安全マージン」をとった方が勝ちです。


上級者テクニック「ルートプランナー」で風の通り道を見る

「青森港は静かだけど、沖に出たら爆風だった」 これを防ぐために、私は「ルートプランナー」機能を使っています。

1

出発地点を決める

スタート位置で右クリックして「距離と計画」を選択

2

目的地を決める

ゴール地点で左クリック

3

詳細設定

ボートを選択して、速度を自分のボートの速度にする。
ちなみにたむちゃん号は「20kt」です。

4

完了

画面下のグラフ(Airgram)を見る。

これを見ると、「航路の真ん中だけ真っ赤(強風)」という時など、風のトンネルを一目で発見できます。特に夏泊半島の周辺や平舘海峡付近は、地形の影響で風が強まりやすいので要チェックです。

意外な落とし穴!「雲底(クラウドベース)」の確認方法


風と同じくらい怖いのが「霧(きり)」です。陸奥湾は季節で濃霧が発生しやすく、視界がゼロになることがあります。 これを防ぐためにWindyの「クラウドベース(Cloud base)」を使います。

Danger

メニューにある「下層雲」ではありません! 「雲」メニューの中にある飛行機アイコン🛫の隣、「クラウドベース」を選んでください。

地図の色がグレー(数値が300m以下)になっていたら、海面は真っ白で何も見えない可能性があります。GPSがあっても、流木や漁網が見えなくなるので出船中止の判断材料になります。


「雷」は雨雲レイヤーでチェック

カーボンロッドを持つ釣り人にとって、雷は命に関わります。 設定はシンプル。「雨、雷(Rain, thunder)」レイヤーを見てください。

  • 雨雲の中に「稲妻マーク⚡️」がある。
  • 雨雲の色が黄色や赤になっている。

そんなときは、たとえ風がなくても出船しません。


まとめ:安全第一で楽しみましょう!

「釣り船 たむちゃん号」では、これらのデータを複合的に見て、お客様が「安全に、かつ不快な思い(激しい船酔いなど)をせずに楽しめるか」を基準に出船を決めています。

ご予約の際は、ぜひご自分でもWindyをチェックして、「お、明日はMSMもECMWFも真っ青だから釣り日和だな!」なんて予想してみてくださいね。

皆様のご乗船、心よりお待ちしております!


【船長のおすすめアイテム】

ご自身のボートで釣りをする方や、安全意識の高いアングラーにおすすめのグッズです。

1. 桜マーク付きライフジャケット(タイプA) 船釣りには必須!国土交通省型式承認品の「タイプA」じゃないと、遊漁船には乗れません。命を守る一番の装備です。

2. 酔い止め薬「アネロン」 船長の経験上、これが一番効きます。「自分は酔わない」と思っている人も、陸奥湾特有の風波にはやられることがあります。お守り代わりにどうぞ。

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3. 携帯用風速計 マイボート派の方へ。体感だけでなく、実際の数値を測る癖をつけると、操船判断のスキルがグッと上がります。


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